スピーチ概要
- 自分に自信がなく、何をやっても中途半端だった
- 大学生の頃にレースクイーンモデルとなり、その時に競技に参加する人たちの「本気」を見た
- 生まれたからには自分の頭と体の力を最大限発揮してみたい、とその時感じた
- 大学4年間で1000万円を貯蓄し、25歳でようやくレースに出場できた
- 世界選手権に出るような選手はプロ選手は15歳で出場している
- 何年も遅れているが「覚悟」だけは負けていないと思った
- 「レーサーになりたい」とたくさんの人に相談したら「女に出来るわけないでしょ」「運転免許も持っていないでしょ」「レースクイーンの戯言でしょ」「愛人でも作ってお金貰えばレースできるんじゃないの」と、100人中99人はバカにしてきた
- 免許も取り、理論も技術も勉強をしてお金も自分で貯めてここまでやってきた、「この一年で絶対やってやろう」という気概があった
- その気概から日本では優勝出来て世界戦のイタリアのレースに行けた
- レース中、横から押したり後ろから押したりして井原さんの車を飛ばそうとしてきた「何するんだ、これフェラーリだぞ」と
- 1000万円ではフェラーリは購入できない、2000-3000万円するが、ぼろで4人がクラッシュして炎上したことのあるフェラーリがヤフーオークションで売っていたのでそれを購入した
- 残り250万しかないので、並々ならぬ覚悟でやっていたのに100万円のバンパーを潰された
- 「100万円どうしてくれるんだ」という怒りで、自分が今まで感じたことのない領域で運転できることを知った
- これが Zone と呼ばれるもの
- おかげで世界の120台のフェラーリで2位を取ることができ、シューマッハに表彰された
- この時に世界一の人に会ったので、「世界一になるにはどうすればよいですか?」と聞いた
- 「きっとこれから苦手なこととか好きじゃないこととか、弱さがボーダーになって現れてくるよ」「それを自分で工夫して考えてそして感情をモチベーションにして一つずつ乗り越えなさい」
- 「もしもレーサーを辞めなきゃいけない時がきたら僕のことを思い出しなさい、もうこれ以上はやることないなと、ささやいているのを思い出せ」
- 「これ以上やることがなければ辞めてもいい、そうじゃないんだったらどんな不利な環境、どんなに不条理な環境でも自分から順応していけ」というアドバイスを貰い、モータースポーツの本場イギリスへ行く決意をした
- イタリアでも押されたがイギリスでも後ろのキミ・ライコネンからガンガン押された
- 「何を」「悔しい」と頭に血が上ったときになぜか凄い運転ができることをまた経験できた
- あまりにもレベルの高いイギリスではビリになった
- ものすごい恥ずかしく、悔しく、どうしようもなかった
- 翌年フランスのレーシングチームに所属した
- 体力がないのでよくスピンしてクラッシュしていて、「あと2回クラッシュしたら君は解雇だ」と言われ崖っぷちの覚悟が出てきた
- スポーツ科学研究所に入れられ、トレーニング漬けの毎日を送った
- 毎朝20km走り、100kmサイクリングし、2時間半筋肉トレーニングをし、25mプールを100回泳ぐのを週3-4回行った
- これをやらないとレーシングカーを速く走らせることが出来ないとのことだった
- 毎朝20km走り、100kmサイクリングし、2時間半筋肉トレーニングをし、25mプールを100回泳ぐのを週3-4回行った
- ゾーンに入ることを意識し、どんな時でもゾーンに入れるようになった
- 食事で感情をコントロールする
- レースの前例えば興奮して2時間しか寝付けなかった場合、胃腸のコンディションが悪くなる
- レースの2時間45分前に赤飯を柔らかくして持ってきてほしいとシェフに頼む
- そうするとレース直前にちょうど消化が終わる
- 栄養士や医者も帯同しているが、消化速度は自分にしか分からない
- 糖質の中で加工食品よりも米は長く集中力が続き感情をコントロールしやすい
- 音楽で神経を操る
- 副交感神経と交感神経のバランスを両方とも増幅させるとゾーンに入りやすい
- 筋肉で血流を操る
- 大きな筋肉を動かすと頭に血流が上る
- 頭に血流が来たときにやる気のない人はいない
- 頭に十分に血液が渡っていればどんだけ疲れていてもやる気とモチベーションが出てくる
- 香りで脳を操る
- 鼻は脳に一番近く、ダイレクトに感情をコントロール出来る
- 千分の一秒単位で判断するには大脳皮質と呼ばれる考える脳をシャットアウトしてそこを飛ばして考えないようにすると手足のように車が動く
- 食事で感情をコントロールする
- とうとうその後イギリスのF3に到達したが、男性と肩を並べて体を酷使してきたせいで1年のうち200日は38度以上の熱が出るようになってしまった
- すべての体に斑点が出たり目が真っ黄色になってしまった
- スポーツどころではなくなった
- ドクターよりこのまま続ければ来年には命は無くなると言われ、レーサーを辞めて帰国することにした
- 4年かけて回復し、またレーサーに復帰することに
- ル・マンにて世界で初めて総合優勝することができた
- なぜレースをしているのか?
- やりたいと思い本気で臨んだことに対しては、結果が失敗でも成功でも「ものすごく悔しい」「ものすごく嬉しい」と、大きく感情として跳ね返ってくる
- その感情こそが人生の生きる原動力だと思っている
- そしてそれをたくさんの人と共有できる (皆で頑張って「やったね」「緊張した」とか) ことはお金には代えられない価値があると感じている
- 生死をかけて走ってきたが、自分で心の中に自分自身のボーダーやたくさんの正義がぶつかってできたボーダーを一つずつ乗り越えていきたい
You only live once
一度きりの人生、思いっきり生きたいと思う
ブレずに淡々と自身の努力により確立されたスタンスでスピーチされている姿が印象的。